20041112


 いまさらのようにかつての遠い知人の訃報を知った。

 ただ、メモとして。書いておく。
 以下の文章は「あなたは」という二人称で始まる。

 自分に素直になるべきだった。自分の書いているテキストの美しさのよって来るところを知るべきだった。身内の悲しみを知るべきだ。悔しいときは悔しいと叫び、欲しいものがあれば強引にでも奪うことを知るべきだった。
 死ぬべきではなかった。

 天国や極楽や、その他死後の世界の類のものをいっさい信じない俺にとって、死は消滅だ。
 だから、あなたは、消滅した。
 その消滅の大きさを知るべきだ。
 周囲に与えたその欠落の大きさ。

 最期まで傲慢なままだったわけだ。
 それでもさ、なんつーか、嫌いじゃなかったですよ。嘘は書いてなかったものね。ひとつも。
 たとえ許されないくらいの弱さがあったとしても、そこに嘘がなければ、生み出されるものは美しい可能性がある。
 可能性だけでいなくなっちゃうのも、まあアレなんですけど。

 ま、いなくなっちゃったものはしょうがないです。
 死後の世界を信じない俺から、かつて同じ季節を過ごしたあなたに贈る言葉。
 あなたのいる世界が、あなたの望んだような世界だといいですね。そうであることが、周囲の人たちにとってもせめてもの救いですよ、きっと。

 最後に。
 俺がサイトでテキストを公表するきっかけになったのは、あなたのサイトです。
 感謝してます。
 感謝したりないくらいに。
 だから、いわせてください。

 残念です。



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