20050126
仮免の学科はとりあえず合格。49点。昔からここ一番ってときのペーパーテストはまず落としたことない。で、日をあらためて技能試験を受けようと思うのだが、さすがになんの予備知識もなく受験するのは心もとないので、非公認の教習所でいわゆる「飛び込み」の教習を受けることにする。
思った以上に腕が鈍っていた。
それだけなら少し走ればカンは取り戻せるのだけれど、ふだんの自分の運転と手順が変えなければ合格はおぼつかない。つまり、クラッチ切ったりブレーキ踏んだりの順番を変えなければならないし、フットレストなんつー、ふだん自分の運転では使ったこともないものに足を乗せなければならない。手順をバラバラにして組み直さなければならない、ということはつまり自分の頭のなかで構築されていた「運転に関する文法」の再構成を要求されることなわけで、その文法が組み上がるまでは運転はできないも同然だ。
10分程度走ったところで、その日の技能検定受験は諦めた。
技能検定は運転試験場で毎日開催されているけれど、不合格だった場合、その次の受験日は試験場の側から指定される。つまり、不合格であれば免許をとるために必要な期間は圧倒的に伸びる。一発で合格すべく最大の努力はしておくべきだろう。
ということで、教官のお墨付きが出るまでは教習所で練習することにする。
試験用の運転というのは、通常の運転とは当然ながら違う。なにより、ふつー教科書的には「急」のつく動作は絶対にいかんってことになってるのに、合格するためには(俺の体感的には)急加速と急ブレーキとしか思えないような運転をしなければならない。コーナーの出口から急加速、通常セカンドのまま加速してすぐ減速すんだろ、と思うくらいの距離の直線で、強引に4速まで持ってって、ノッキング寸前まで減速してサードセカンドとありえないインチキさで地獄のシフトダウン。ちなみにその減速過程には「ルームミラーを確認、バックミラーを確認してからウィンカー出して右後方を確認してからセンターラインに車を寄せる」という動作が同時に入る。どう考えたって危険すぎる。しかも目視っつーからちゃんと後ろを見て確認していたところ「肩が入るくらいに振り向くと前方不注意ということで減点になります」とのこと。「でもそうしないと実際は目視できませんけど」というと、まあ、なんつーか予測どーりのお返事が。
「できる必要はないんです。合格するために必要な手順、ということですから」
ま、そーなんでしょうけど。「なんのために」という目的の部分が提示されない行為ってのはすんごい不毛に感じるよなあ…。にしても教官ぶっちゃけすぎ。
教習が終わって、いちおー教官に聞いてみる。
「あとどれくらいかかりそうでしょうか」
「うーん…思ったより器用にこなせそうだから、校内であと一回、試験場で2時間ばかり練習すれば確実だと思いますよ」
人生このかた「器用」なんて評価を他人からいただいたのは初めてだったので、少しばかり驚いた。
いちおー、念のためってことで、校内での教習をあと2回入れておく。その後試験場での練習を2時間予約。しめて28000円ばかり。仮に一回で合格するんだとしたら、まあ高い費用とはいえない。
ちなみにこの教習所は二俣川教習所というんですが、神奈川で一発受験する人は覗いてみる価値ありです。公認教習所の場合、黙ってても客のほうでやってくるんで、あんまり「経営」という意識はないですが、非公認の場合はそこで学ぼうとする人にとって「必ず合格するかどうかわからない」という大きなリスクがあって、そのリスクをできるだけ軽減すべく教習所の側が努力しなければならないってのがあるんだと思います。試験を受ける人にとって一発受験のメリットは「時間がかからない」「安い」ということだけだし、そのメリットですら合宿の公認教習所と比較すれば大したことはない。だから、ちゃんと学ぶ人を客として扱う応対が出てくるんだろうなあと思う。親切ですよ、すごく。
あとたぶんだけど、公認の教習所よりも運転技術そのものについては身につけさせてくれると思う。これはこれから初めて車を運転する人でも同様。
あとは、友人の箭沢や鳳とともに、今後経営する店についてあーだこーだとだらだらしゃべってくる。運営方針とかそんな抽象的な話をするときには、その助走段階としてこうした雑談みたいなものは欠かせないと思う。なにせ、当人たちが漠然と思ってることをカタチにするところまで詰めなければならない。漠然としているのだから、漠然とした会話のなかにしか出現しないわけ。
箭沢と会って長く話すのはひさしぶりですが、彼は健在でした。
ケータイを持ち歩かないことについて非難すると、平然と言いました。
「それは定義がまちがっている。携帯とは元来、家に置いて固定電話のかわりにするものだ。保証金を払えない人たちのための手軽な固定電話なんだよ。東南アジアでもそうしている。よって俺が携帯電話を持ち歩かないのはまちがっておらず、そうしたものを持ち歩く人々のほうがまちがっている」
真顔で言うな。
しかもそのあとに「充電池がダメになってきていて持ち歩いても意味がない」と真相を暴露するくらいなら、そんな恐ろしい屁理屈を言うんじゃない。
そしてここから先は箭沢に直に会ってそのキャラを知っている人(てゆうか具体的にはサンフェイスさんくらい)にしか意味がわからないはずなのですが、あまりに連絡がつきにくいので、まゆみさんだったか俺だったかが、彼の内部にケータイを内蔵させてはどうか、というアイディアを出しました。アンテナは頭頂部から垂直に雄々しく伸びており、着信があると彼が笑点のテーマをフルコーラス高らかに熱唱する、というシステムです。たとえ彼が寝ていてもです。「パフ」の部分で彼が電話に出るという寸法です。
しかしこのアイディアは当人によって却下されました。
「アンテナなどという無粋なものではなく、頭につくのであればアホ毛でなければならないため」
というのがその理由でした。内蔵すること自体はかまわないらしい。
なんつーか、健在です。
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