20050522


 ひさしぶりに日記など書きます。
 4月はずいぶん更新したのですが、開店準備の研修やらなんやら、ついでに引っ越しがらみでネット環境が途絶したりで再開するきっかけがなかった。
 フランチャイズで開店までのノウハウが確立してるし、自分は物件とか探す手間がない(かわりに立地を選べないわけですが、きょうび神奈川県みたいな過当競争地域でそうそうおいしい物件が個人の力で探せるとも思えん)とはいえ、やはり一件の店を作るためにはそれ相応の手間がかかるようです。てゆうか経験者にレジの打ちかた教えるのやめてくださいお願いですから。教えるほうも仕事に対する責任として熱心にやってくれるし、学ぶほうも今後のバイト育成のために熱心に聞くわけなのですが、それでもやはり双方に「ああ、俺たちはいま無駄なことをしているのではないだろうか」という虚無感のようなものが漂うのがどうしても避けられないのです。まあ独立支援制度なんつーて会社内部の人間が独立するケースがレアなわけですけど、制度作ったからには、それにあわせた人材育成プログラムを作ってほしかったなと。これは今後、俺のよーにレジ教えられて退屈と虚無感に襲われる人間をひとりでも減らすために本部に提案したいんだけど、大きい組織だからなあ。そう簡単に動けるはずもないか。


 ある程度コンビニの仕事内容と社会的責任なんてあたりまで充分飲み込んだうえで独立を決めたはずの人間でも、やはりプレッシャーは大きいものがあります。ここんとこの読書量の増大は、まあ単純に研修中に読む時間があったというのもあるんだけど、ストレス解消が大きな目的でしょう。なにしろ経営者になるということは、二十人近くの人間の生計に対する責任を負うことなわけで(まあ実際はパートとかアルバイトとかだから、そこまで重くはないんだけど)、一度事業を初めて人を雇ってしまった以上、失敗することは道義的に許されないわけです。努力しても立地がクソだと潰れるのは避けられないんだが、それでもそこに社会的責任は要求されてるのを感じる。たぶん、雇われてる人よりこのへんのプレッシャーははるかに大きいでしょう。
 が、自分が社会的存在として可能な限り自由であるために行き着いた選択です。このプレッシャーを背負うことで自由度が上がるなら、それはそれでアリ。てゆうか頭の悪い人に頭下げるの嫌いだからしょうがないよね。


 引っ越した場所は虫が多いです。木が多いしあたたかいから。
 俺のなかで根強くはびこる風景のひとつに「ありもしない過去の夏への憧憬」というものがあります。それを「Air」というゲームによってかたちにされてしまったわけです。
 この閉鎖的でうんざりするほど人の目がやかましい土地ですが、空の青と鮮烈な木々の緑、そしてやや鈍く光る青緑の海とのコントラストは、そうしたものと無関係に美しいものだと思います。おそらくその景色のなかに人が住んでいるという事実そのものが、美しさに寄与してるんでしょう。
 また夏が来ます。暑苦しくて仕事が忙しくて虫が多くてうっとうしい夏が来ます。けれどその夏は今年もきっと美しいでしょう。直射日光に照らされて焼けつくようなコンクリートの護岸や、ぼろぼろの漁船が転がっている砂浜に打ち寄せる弱々しい波や、地面に落ちたくっきりとした木々の影のなかに、俺はまた夏を見つけ出すんでしょう。



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